Failure is an option, but fear is not.

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REPORT

富士SUPER TEC 24時間レース #14 エヴァRT 弐号機 岡部自動車 Z34 決勝レポート

6月2日(土) 曇りのち晴れ/ドライ

 

F1  F2

 
迎えた決勝日、薄い雲の間から晴れ間がのぞくようなコンディション。
梅雨時ではあるものの15時のスタートから24時間後のチェッカーまで雨の心配はないだろう。
最後のマシンチェックとなるウォームアップ走行、華やかなピットウォークやグリッドウォークが行われてスタート時刻が刻一刻と近づく。
 
#14エヴァRT弐号機 岡部自動車Z34は、シーズンレギュラードライバーである「山崎選手→大原選手→甲野選手→市森選手」という順番で始まり、スポット参戦の輿水選手、島澤選手を途中で挟みながら周回を重ねるという戦略をとる。
そしてスタート1分前、激闘の前の静けさが広がる富士スピードウェイにレーシングカーのエキゾーストが響き渡る。フォーメーションラップを終えて、ホームストレートに帰ってきたマシン達。
15時、気温23度、路面温度31度の中、グリーンシグナル点灯とともに24時間レース決勝スタート!
長い闘いを見据えて、全車クリーンなスタートを決める。
#14エヴァRT弐号機 岡部自動車Z34のスタートドライバー山崎選手もセーフティーなスタートを切るも、序盤に同クラスの#38レクサス、#62レクサスに先行を許してしまう。
しかし、これは長丁場を見据えた想定内の走行であり、目先の順位だけで必要以上のリスクと消耗を避けるための判断だ。
予選にて速さが証明されているマシンを労わりながらチェッカーまで走り抜くことが出来れば、結果はついてくるであろう。
スタート後30分が経過したところで、1コーナーにて#82アウディが#59 WRXに激突!自走にてピットへ帰ることが出来ない#82の回収の為、セーフティーカー(以下SC)が導入。
このSCがクラストップを走る#68 マークXの真後ろにコースイン!そのため、クラス2番手以降を1LAP近く引き離しての再スタートとなってしまった。
またスタートから1時間10分を経過した辺りで、上記のクラッシュ現場付近で#14エヴァRT弐号機 岡部自動車Z34に黄旗追い越しによるペナルティの裁定が下される。
この影響で「ペナルティストップ30秒」を受けることになってしまった。まだ24時間のレースも序盤とはいえ、結果を追う上では一つ一つの積み重ねが大切になってくる。以後、気を引き締めていかねばならない。
 
その後、ペナルティを消化後にルーティンピット作業。山崎選手から大原選手にドライバーチェンジ、給油作業とタイヤ交換を終えてコースへ復帰。
大原選手は徐々に日が傾き始める中、順調に走行を続けていく。
開始から約3時間を経過したあたりで、2度目のルーティンピット。
給油作業を終え、大原選手から甲野選手へバトンを繋いでいく。
陽はほぼ完全に傾き、暗闇の中をレーシングカーが全開で駆け抜けていく。これぞ24時間レースの魅力だ。
 

F3  F4

 
この時点の順位はペナルティが響いてしまい、クラス7位。
遅れを取り戻したい#14エヴァRT弐号機 岡部自動車Z34の甲野選手は攻めの走りで周回を重ねていく。
そして3度目のルーティンピットに入り、甲野選手から市森選手へドライバーチェンジ。
しかし順位を取り返そうという思いが裏目に出てしまい、このピット作業でミスを犯してしまう。
給油作業とタイヤ交換を終えて、ピットアウトする際に、作業途中にも関わらずエンジンをかけてしまった。このピット作業違反により「ドライブスルーペナルティ」を受けることに。
ミスの連鎖が起こってしまった形だ。
しかしこの状況を乗り切るべく、再び気持ちを入れなおした#14エヴァRT弐号機 岡部自動車Z34は順調に周回を重ねていく。
 
20時過ぎ、夜空には大きな花火が彩る中、ダンロップコーナー内側にて#98シビックがトラブルによりフルコースイエロー(以下FCY)が導入。全コースに黄旗が提示され50km規制となる。そのままSCも導入されマシン回収が行われる。
その後、再び山崎選手がステアリングを握り、ナイトセッションを確実に周回して、甲野選手へバトンを託す。
#14エヴァRT弐号機 岡部自動車Z34がクラス4位付近を走行し、表彰台への望みを繋げて周回する中、赤旗が提示されレース中断。
レクサスコーナー立ち上がりにて、#10ゴルフと# 13ハチロクが激しくクラッシュした模様。
 
レース再開後、大きなトラブルも無くナイトセッションをこなしていく各マシン。
今回の富士24時間レースでは、「メンテナンスタイム」が設けられており、ガレージ内でのメンテナンス作業を最低8分間、スタートから20時間を経過するまでに2回行わなくてはならないルールがある。
#14エヴァRT弐号機 岡部自動車Z34は明け方にメンテナンスタイムを利用して、ブレーキを交換。レースはまだ半分近く残っている。ブレーキ廻りをリフレッシュしたマシンは、安心してコーナーを攻めることが出来る。
 

F5  F6

 
4時を過ぎて日の出と共に富士スピードウェイは徐々に明るさを取り戻していった。
8時30分過ぎには#65アウディがクラッシュの為、FCYが導入される。
#14エヴァRT弐号機 岡部自動車Z34は大きなトラブルも無く順調に走行を重ねるも、他のマシンも順調に走行を重ねており、順位に変動が起きないままチェッカーが迫ってくる。
 
間も無く正午を迎えようとした時、モニターにリアバンパーを損傷している#14エヴァRT弐号機 岡部自動車Z34が映る!
同時にオレンジディスク旗が提示されてしまい、ピットに戻り修復作業を行わなくてはならない。
幸いにもリアバンパーの外れかかっている部分をはぎ取るだけで、走行に大きな支障はないと判断され、最低限のロスタイムでコースへ復帰することが出来た。
その直後にはコカ・コーラコーナーにて#58 DC5がエンジンブローにより炎上、コースアウト。ドライバーは無事に脱出をすることが出来たが、コース上にはオイルが撒かれてしまい赤旗中断。どのマシンも満身創痍の状態だ。
 

F7  F8

 
そして15時、長いレースも終了の時間を迎える。
チェッカーが振られたストレートには、2台並んで走ってくる#14エヴァRT弐号機 岡部自動車Z34と#15エヴァRT初号機 岡部自動車Z34の姿が見えた。
お互いに24時間の激闘を称えあうように同時にチェッカーフラッグを受けた。
チームは「車を労わりながら、慎重に周回を重ねて上位を狙う」という24時間ならではの作戦を遂行した。
しかし、皮肉にもトラブルを恐れずにガンガン飛ばしていた他チームにトラブルが起こらず、スタートからゴールまでかなりのハイペースな展開で繰り広げられたレースとなった。
そんなレース展開の中、#14エヴァRT弐号機 岡部自動車Z34はペナルティや修復作業の影響もあり、クラス5位にてチェッカーを迎えた。
 
しかし677周、約3100kmを走破したマシンの裏には、順位以上の感動が垣間見えた。
10年ぶりの24時間レースにあらゆる状況を想定し、莫大な予算を掛けてマシンの状態を最優先に整えたチーム、サーキットに缶詰め状態でも24時間レースに集中できる環境作り、チーム全員の力の源となるピットでの炊出し、そんな環境でのメカニック達の素早く的確な作業、走行後のドライバーにドリンクやタオルを渡すスタッフ。
そして24時間、過酷な状況下でマシンを壊すことなく闘ったドライバー達。
まさにチームが一丸となって闘い抜いた過酷な24時間レースであった。

 

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