Failure is an option, but fear is not.

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REPORT

SUZUKA 10HOURS #88 #87 決勝レポート

8月26日(日) 晴れ/ドライ

 

10H_FL1  10H_FL2

 
早朝から透き通るような青い空の下、いよいよ決戦の日を迎えた。
決勝日の最初のプログラムであるVIPスイート向けピットウォークが行われる中、ピット内では走行に向けての準備が進められている。
そして8時。決勝に向けた最後の走行、20分間のウォームアップ走行が始まる。
#88 #87共に決勝セットアップを確認しながらの走行を行うと同時に10時間の長い闘いで肝となるピット作業もシュミレーションする。
各ドライバー程よい緊張感の中、フィーリングを確認、共有して走行を終える。
その後、各国のスーパーカーによるパレードラップを皮切りにコース上ではスタート進行の催しが始まる。
ルマン式と呼ばれるピットウォール側に並べられたマシン達。
 

10H_FL3  10H_FL4

 
国歌斉唱後、迎えた10時。セーフティーカー(以下SC)の先導によってグリッドを離れる。
しかし、ポールポジション#28フェラーリが発進しない。どうやら直前にエンジンストールをしたようだ。その後すぐに隊列に復帰する。
1周のフォーメーションラップの後、2列の隊列でメインストレートにマシンが帰ってきた。
気温32度、路面温度44度のマシンにもドライバーにも過酷なコンディションの中、シグナルグリーン!10時間にわたる闘いが幕を開けた。
各マシン、スプリントレースのような激しい攻防の中1コーナーに突入。大きなアクシデントは無かったものの、波乱のレースを予感させるスタートシーンとなった。
#88のスタートドライバーを務めるのは平峰選手。抜群のスタートを決めて1周目を2つポジションアップして終える。
#87は飯田選手がスタート担当。長い10時間の闘いを見据えて、タイヤの摩耗を考えた上で戦略的にドライビングを続ける。
2台とも危なげないスタートを決めながらも、日本勢や海外勢マシンとバトルを展開しポジションを1つでも上げるべくプッシュ!
 

10H_FL5  10H_FL6

 
10Hでは「1スティントは最大65分」というレギュレーションがある為、各チームピットインのタイミングは図らずとも似てくる。
#88はポジションを上げつつ、他チームとタイミングをずらし、かなり早い18周目にピットイン。タイヤ交換、給油を行い、平峰選手からマペッリ選手へとドライバーチェンジ。マペッリ選手はピットアウト後、2分06秒台をコンスタントに刻んでいく。
#87は29周目にピットイン。飯田選手はミスなく作戦を敢行し、元嶋選手へバトンを繋ぐ。元嶋選手は時より2分05秒台を出す追い上げを見せる。
そして46周目、#88は#7とポジション争いを展開する中で、ヘアピンの立ちあがりで接触!両車とも大きなダメージは無く、走行は続けられそうだ。尚、この接触により#7にはペナルティが課せられている。
#88は接触の翌周にピットイン。カルダレッリ選手へとドライバーチェンジを行いコースに復帰。
しかし先ほどの接触の影響もあるのか…?ペースが思うように上がらない。苦しい中、カルダレッリ選手はラップを刻んでいく。
一方#87は49周目にピットインし、タイヤのみを交換。ドライバー元嶋選手はそのままでピットアウト。このままトリプルスティントを決行する予定だ。
ピットアウト後も元嶋選手のペースは良く、2分05秒台前半を連発し猛プッシュ!
 

10H_FL7  10H_FL8

 
そして#88 #87共に安定したドライビングとピットワークを見せるが、79周目に130Rにてアクシデント発生!#58マクラーレンがリアから大破している。これによりフルコースイエローが導入。全車規定速度までスピードを落として巡行する。その後処理の為、SCも導入となった。#88はこの直前にピット作業を済ませており、不利なタイミングでのSCとなってしまった。
84周目にSCは解除となり、再スタート。#88は裏ストレートにて#10をとらえてポジションアップ!ここから追い上げのレースが期待できると思った矢先の出来事だった。
85周目S字にてオーバーテイクを試みた#75に接触されてしまう。
この接触により左リアフェンダーが破損し、ホイール内側に干渉、タイヤを壊してしまう。白煙を巻き上げながらの走行となり大きくポジションを落としながらもなんとかピットに帰ってくる。不幸中の幸いながら走行不能となるバーストには及ばず、軽度のパンクとなっていた為、タイヤ交換と破損部品を外して最低限のロスタイムでコースに復帰。しかしながらこの緊急ピットはポジションを争うにはかなりの痛手となってしまった。だが、カルダレッリ選手はこの遅れを取り戻すためにあきらめずに前を追っていく。
一方猛追を見せる#87は91周目にトリプルスティントを務めた元嶋選手から高橋選手にドライバーチェンジ。高橋選手も元嶋選手に負けず劣らずのハイペースをキープして、ラップを重ねていく。
そしてレースが経過して5時間、ちょうど折り返し時点での順位は#88は接触の影響もあり総合20位クラス17位。#87は総合24位クラス5位となっている。
両車共に厳しい闘いを強いられているが、夕方になり、気温と路面温度が下がり始めてくると今回のマシン特性にマッチしてくるはずだ。追い上げが期待出来る後半に向けてコンスタントにラップを重ねていく。
 

10H_FL9  10H_FL10

 
その後#88は平峰選手がダブルスティントでハイペースをキープし、徐々にポジションを上げていく。
#87は高橋選手→元嶋選手と交互にハイペースでありながらも安定したスティントをこなしていき、クラス3位が射程圏内に見え始めてきた。
レースはマシントラブルによりリタイアするマシンも現れ始め、過酷さをより一層物語る。
そしてスタートから8時間が経過。日はかなり傾いており、辺りはかなり薄暗くなってきた。耐久レース恒例のライトオン掲示もされて、10時間にも及ぶレースも残すところ2時間となった。
この時点での順位は#88総合15位クラス13位でマペッリ選手がドライブ。
198周目にはベストタイムとなる2分04秒985をマーク。やはり気温・路面温度が落ちてからの方がペースが良い。更なる追い上げを図りプッシュを続ける。
元嶋選手がドライブする#87は総合17位、クラス3位に浮上。
216周目にピットインし、最後のダブルスティントを務める高橋選手へ表彰台へのバトンを託す。しかしこのピット作業にて、ホイールを取り外す為のホイールガンが破損しタイムをロスしてしまう。最後まで気を抜くことが出来ない中、高橋選手はナイトセッションへと向かいピットアウト。
 

10H_FL11  10H_FL12

 
鈴鹿サーキットは完全に日が落ちており、暗闇の中マシンが全開で駆け抜けていく。さらにグランドスタンドはペンライトにより綺麗にライトアップされ、幻想的な景色が広がる。
そんな中#88はカルダレッリ選手がフィニッシュドライバーを担当。完全なナイトセッションながらも昼と遜色のない2分05秒台をマークしながらプッシュを続ける。さすがはランボルギーニのファクトリードライバーである。
#87の高橋選手は同一周回を走行するクラス4位のマシンのプレッシャーを感じながらも、慣れないナイトセッションを危なげのないドライビングでラップを刻んでいく。
 
そしてついに迎えた20時、10時間にも渡る激闘にチェッカーフラッグが振られた。
#88エヴァRT初号機ランボルギーニGT3は総合15位、クラス13位にてフィニッシュ。タイヤ、コンディションとのマッチングに悩まされながらも、後半のペースが良かっただけに序盤での接触が悔やまれる結果となった。
#87エヴァRT弐号機ランボルギーニGT3は総合17位、クラス3位にてチェッカー!
戦略通りにドライバーがハイペースでの追い上げを完璧に実行し、日本勢では唯一の表彰台獲得となった。
1戦限定のエヴァンゲリオンカラーをまとった2台のランボルギーニは273周を走破し、10時間に渡る闘いをアツい走りと表彰台獲得で大いに盛り上げる形となった。

 

 

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