Failure is an option, but fear is not.

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REPORT

鈴鹿8時間耐久ロードレース 第39回大会 決勝レポート

7月31日(日) 晴れ/ドライ

 

決勝前のフリー走行で最終確認したマシンを大切にスターティンググリッドに出口選手が運ぶ。今回、スターティンググリッドでマシンに風をあて水温上昇を抑えオーバーヒート防止に努めれるよう扇風機や送風機の持ち込みが許される公式通知が発表になった。それほどまでに気温がグングン上がっていた。


1st スティント 出口修
kessho_deguchi2   スタートライダーは出口修選手。ルマン式スタートでマシンに駆け寄り跨る。さあエンジンスタート。しかしエンジンが掛からない。少しスタートに出遅れ1周目終了時点で20位で通過。前には2012年3位表彰台争いをした#94 GMTが走行。走行序盤はペースを若干抑え状況を把握するよう鶴田監督からの指示が出ていた。案の定、先行する#5がMCシケインで転倒してしまい戦列から離れてしまう。出口選手はスティント中盤までにポジションを回復するよう毎周1台を抜きポジションアップしていった。1stスティントをポジション10でピットに戻ってくる。メカニック達が前後タイヤ交換とガソリン補給を行いエルワンニゴン選手に交代した。

 

 

 

 


2nd スティント エルワン・ニゴン
前後タイヤ交換・ガソリン補給に費やした時間は約20秒。メカニック達も確実に作業を行った。ピットアウトしストレートに戻ってきた時点でポジション13。前を走るのは#1で-7秒差、そして後ろを走るのは#11、同じ新型のKawasaki ZX10Rで+6秒。その後ジワジワと先行する#1を追い詰めていった。しかし、23周目に#1にペナルティが出されピットイン。翌周にポジション11に上がる。
38周目には#104が2回目にピットイン。余りにもピットに入るタイミングが早く、やはりマシントラブルでピットボックスの中にマシンを入れ修復が始まった。ニゴン選手は安定したタイムで走行を続けている。46周には#090がピットイン。翌47周には#39がピットイン。このタイミングでピットに入るチームは8回ピットに入る作戦だ。1回ピットに入るとIN/OUTラップのロスタイムと作業時間で約1分必要になる。その1分を挽回しようとレース中盤から後半に掛けてライダーはプッシュし続ける走行を求められリスクが多くなる。チームによって色々な作戦や判断があるが、多くの8耐参戦経験がある鶴田監督のライダー心理を理解した采配でエヴァRT初号機TRICK STARは7回ピット作戦を実行していた。50周目には#22・#111がピットイン。52周目に#17がS字コーナー付近でスローダウン。スローパンクチャーだと思われる。ニゴン選手は7番手でピットインした。


3rd スティント 井筒仁康
通常ルーティーン、前後タイヤ交換・ガソリン補給し井筒選手に交代。各チーム2回のスティントが終わったが、7番手から12番手まで15秒の僅差で争っている。井筒選手がピットアウト後ストレートに戻ってきた時点で10位を走行。57周目に#1世界耐久選手権で何度もシリーズチャンピオンを獲得しているSERTがデグナーカーブで転倒してしまう。やはり路面温度が上がりタイヤグリップへの影響なのか、転倒者が多い。そして決勝ペースが上がらないチームが多く、抜くのも大変な時間帯の中、井筒選手は安定したタイムを刻みながらラップを消化していく。スティント序盤はガソリンがフル満タンでフロントサスペンションへの荷重が増えマシンのバランスにも影響があるが、6~7周目からタイムアップしていった。そして昨年までのマシンではペースの遅いマシンを抜くのもラインの自由度が少なくタイムの落ち幅が多かったが、今年のマシンはラインの自由度が改善されタイムの落ち幅が少ない。これは耐久を戦う上でとても重要な点だが、井筒選手を軸とした出口選手・ニゴン選手のマシンセットアップが上手く作用していた。井筒選手が残り1周の時点で先行していた#22がピットインしポジション6に上がる。


4th スティント 出口修
kessho_deguchi 前後タイヤ交換・ガソリン補給し出口選手に交代。ストレートに戻ってきた時点でポジション9。僅差で前後のライバル達と争っている。メカニック達もピット作業をミスしないように集中して行っている。84Lap目、トップから#21、#87、#12、#39、#32、#22、#11、#7、#01、#111のオーダー。95周目にS字コーナーで先行していた#22を抜き、差を拡げていく。さらに#32を追い詰めていく。102周目にスプーンコーナーで#32を抜きポジション6に上がる。

 

 

 

 

 


5th スティント エルワン・ニゴン
kessho_erwan前後タイヤ交換とガソリン補給し19.5秒でピット作業を終えニゴン選手に交代する。メカニック達のピット作業も安定していた。ピットアウト後ストレートに戻ってきた時点でもポジション6。交換するNewタイヤはタイヤウォーマーで温めてはいるが本来のグリップまで交換直後は機能しない中、さらに約5.8Kmの鈴鹿サーキットの各コーナーの路面コンディションも判らない中、ニゴン選手のピットアウトラップの集中力が凄くポジションダウンせずに走行していた。114周目スティント8周目に#7を抜きポジション4に上がる。スティント11周目に#7に抜かれるが、スティント13周目の1コーナー進入で#7を抜く。しかしS字コーナーで抜き返された。
時間的にも一番暑い中、体力的にもタイヤグリップも辛いが抜きつ抜かれつのバトルを行っていた。ピット内モニターに映し出されたニゴン選手の走りは無理をしている様には見えず、逆に安定していてライバルとのバトルを楽しんでいた。

 

 

6th スティント 井筒仁康
前後タイヤ交換・ガソリン補給を終え、井筒選手に交代する。このスティントで#32と井筒選手のバトルが何周にもわたりモニターに映し出されていた。スティント序盤は前を走っていた#32だったが、142周目スティント9周目に#32を抜いた。モニターで映し出された映像で、エヴァRT初号機TRICK STARの得意なところと不得意なところが良く理解できた。井筒選手も#32青木選手との攻防を楽しんでいた。


7th スティント 出口修
前後タイヤ交換・ガソリン補給を終え出口選手に交代。ストレートに戻ってきた時点でポジション6。ここでの順位はトップから#21、#87、#12、#7、#32、#01、#22。
終盤に入った鈴鹿8耐。しかしスティント最初から#32との攻防が続いていく。スティント8周目から18周目まで#32とテールTOノーズの5位争い。ポジション4の#7とは175周スティント14周時点でー33秒差。しかし毎周1秒から1.5秒差を削っていく。スティント16周目30秒差。スティント18周目28秒差。翌周には25秒差スティント23周目には22秒差まで追い詰めていく。出口選手のスティント最終ラップ時点で、ポジション6、前車に#32、後車に#17、トラブルで後れていた#17が追いかけてきた。


8th スティント エルワン・ニゴン
18:35分残り時間55分で前後タイヤ交換とガソリン補給を終えピットを後にする。最終スティントの序盤は前車#7との間隔を詰めていったが、太陽が西に傾き路面温度が下がってきた時、ニゴン選手のラップタイムが上がらない。そして後ろから#17が追いかけている。毎周その差は縮まり、辺りが暗くなりヘッドライトが眩しくなる頃には+10秒差まで迫ってきた。懸命に逃げようとニゴン選手もプッシュしていたが、残り時間6分の所で先行された。結果213Lap8:00‘48.667総合7位でチェッカーを受けゴールした。

 

 

 

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