エヴァンゲリオン レーシング Super GT & ROADRACE


EVA Racing SUPER GT 2013

RUN'A Entertainment,Inc.

REPORT

第7戦 オートポリス 決勝レポート

10月6日(日) 曇り/ドライ

シャキッとしない空、時折吹く強い風、幸い霧・・と言っても、実際は雲・・・は無く視界良好、路面を濡らす程ではない、時折霧雨がパラつくといった、何とも言い難い微妙なコンディションが続くオートポリスサーキットだが、どうやらレースはドライコンディションで行えそうだ。
 午後の決勝レースのタイムスケジュールは通常のレースと変ることは無いが、ウォームアップ走行が通常の8分から15分の前倒し延長となり、全く走っていない高橋選手、レース前唯一の走行となった。
 ウォームアップ開始と同時にコースイン。1ヶ月前のテスト走行、また午前の予選の車載ビデオ学習が活き・・・クラス中位と、決勝での走りが期待できそうだ。
残り5分程でスタートの加藤選手に交代、6番手タイムとバランスも良く好調。

 抽選で決まった決勝スタートタイヤは、我々は予選で未使用だったNEWタイヤ、これを活かしスタートは加藤選手で、タイヤ、燃料を使いきるまで引っ張る予定である。
 午後2時、フォーメーションスタート。ピットではスタートタイヤの選定に失敗したのか?2台0号車(ポルシェ)と61号車がピットスタートを待つ。これは決められたスタート用タイヤを、別のタイヤに変更したい場合に取られる措置で、レーススタートと同時にピット前でタイヤを交換しピットからレースに加わるのである。無論グリッドも失う事になり、全車がストレート通過後に戦列に加わるので大幅に遅れる事になるが、レース中に“1回余分”にピットインするよりはロスは少ない。
 1周のフォーメーションを終えレーススタート。と同時に1台、62号車(メルセデス)がピットイン、やはりタイヤ交換してピット離れる。先のピットスタートの2台と同様、レースのペースが上がり始まる前、早めの1周目に交換する場合もある。昨日予定されていたプラクティスは、予選、ひいては決勝タイヤの選定に関し重要なセッションで、そのプラクティスが無くなった事により、タイヤの戦略で各チームを大きく惑わす事となった。

 このピットスタートマシン等により1周目13位で戻るものの、翌周には15位に・・・そして3周目には再び13位と、序盤の攻防が繰り広げられているが、ロングランを見据えた加藤選手はタイヤに負担を掛けず53〜54秒台、だが7周目12位、8周目11位、10周目にはポイント圏内の10位ポジションアップして行く。
 10周辺りを過ぎると、タイヤキャラクターの違いか?上位グループの中から大きくタイムを落とし、中位グループに飲み込まれるマシンも現れる。そうしたマシンを、51〜52秒台で飛ばす加藤選手が飲み込み、11周目には9位、13周目8位、16周目には7位へと上がり、トップ3号車(ポールポジション:GT-R)とは既に45秒差だが、中位グループの中で確実に順位を上げている。
 20周を過ぎるとルーティンピットが始まり、本来装着したかったタイヤに履き代わったマシンもあるだろう。これからレースの展開が変る事になるのか・・・。

そうしたピットインにより加藤選手も見かけの順位が上がり、25周目5位・・この頃になると小雨がパラツキ始め、ワイパーが動き始めるマシンが出始めるが、ウェットタイヤが必要な程ではなく、タイムも全く落ちることはなく、28周目には51″272のベストタイムをマークし見かけの順位は4位。その後も51〜52秒台で快走、36周目にはベスト更新51″253!!そろそろ40周、タンクアラーム(燃料が少なくなると点灯する警告灯)が点灯する頃で、ピットでは、作業の準備に入る。
 そして41周を終え、全チームで最後のルーティンピットイン、給油は満タンではなく残り周回数(恐らく20〜21周)分のみ、タイヤは4本交換。
 高橋選手に交代し5位でピットアウトするも、既に迫った後続にアウトラップで抜かれ42周目で7位。43周目52″765!!好タイムであると思った、44周目は51″921!!!
 レースラップとしては充分過ぎるタイム。渡邉エンジニアから「良いペースです。前のGT-R(30号車)より早いです!!後のヨコちゃん(0号車、横溝選手)にも追いつかれません。」と前後の状況を知らせる。と同時に500クラスの接近を知らせる。
 ところが45周目、54″970、翌周も54秒台・・・その後も54〜55秒台とガックリペースが落ちてしまった。500にラップされる時はペースが落ちる“場合”があるが、これは落ち過ぎ、また周回が多過ぎる。
 渡邊エンジニアから「何かクルマのバランスがおかしいですか!!?」と、トラブルが心配されるほどのペースダウンである。ポジションこそ7位をキープするものの、後方の蓋をする形となってしまい、53周目0号車にパスされ8位へ。その後は堰を切ったがの如く後続車にパスされ順位が下がり、60周でチェッカー受けた時は12位となってしまった。(最終結果ではペナルティを受けたマシンが有った為、繰り上がり11位)

   ペースダウンの原因はGT500マシンを先行させる為にラインを外した際に、走行ラインの外側に落ちているタイヤカスを拾ってしまい、タイヤの外周にタイヤゴムがこびり付き、それらはタイヤのグリップを落とし、ハンドリングにも大きく影響してしまうのである。こうしたレースでは決して珍しい事ではなく、むしろ300クラスをオーバーテイクする為にラインを外す500クラスでは当たり前の事で、彼らを含め“プロ”ドライバーはそうしたこびりついたタイヤカスを剥がす走り方が、ペースを落とすこと無くできるのであるが、“アマチュア”ドライバーでは、経験値の差から、先にペースが落ちてしまう。
 ペースを落としてしまうと、剥がれない、剥がれないからペースが上げられない・・・負のスパイラルである。中には、こうした状態での、走行時の振動が足回りの異常と感じ、ピットインしてしまうケースもあるほど、ハンドリングに影響が出るのである。
 ここオートポリスサーキットでは特にこのタイヤカスが発生しやすいコースらしいが、他のサーキットでも多かれ少なかれ、レース中コースサイドにはタイヤカスが発生する。こうした事も踏まえ、ラインをいかに死守するか?またそうしたリスクを冒してでも抜くか?こうしたコース状況も含め、レースを戦っているレーシングドライバー達なのである。



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