エヴァンゲリオン レーシング Super GT & ROADRACE


EVA Racing SUPER GT 2013

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REPORT

アジアン・ル・マン・シリーズ第2戦富士スピードウェイ 決勝レポート

9月22日(日) 晴れ/ドライ

アジアン・ル・マン・シリーズでSUPER GTレースと違うと最も大きく実感できるのはタイムスケジュール。
 決勝日の本日、アジアン・ル・マンのエントラントの最初のスケジュールは、10:25からのピットウォーク。
 SUPER GTであれば、朝のフリー走行を終え、決勝レースに向けた熱いディスカッションが行われる時間帯である。
 マシンの走行に至っては、フリー走行は無く、本日最初の走行は、13:05の決勝レースのウォームアップ走行、そしてそのままグリッドに整列である。従って、昨日の予選からのセット変更の確認は、この時しか行うことができない。無論こうしたルールは全チーム共通なので、異論はないが、多くのデーターを持っていたり、ドライバーのセッティング能力が大きな差を生むことともなる。
 レースは距離ではなく時間・・今回は3時間のレースとなり、今日のようなドライコンディションなら周回数にして104〜106周といったところだろう。FIAGT3マシンは2PIT、3スティント作戦が妥当な所だが、燃費の問題で、やや不安が残る・・・。また今回我々の選択したタイヤは、タイム的には非常に良いパフォーマンスを示すのだが3スティントとした場合には、急激にタイムが落ち込む恐れがある。このレースSUPER GTクラスに参戦10台の内JAFGTマシンが3台・・まともにレースとなれば、これら3台には太刀打ちは不可能。であれば、先の燃費の問題を絡めても、当初から3PIT、4スティントでキッチリと作戦を立てたほうがリスクは少なく、良いリザルトが望めるであろう。
 スタートは加藤選手が担当し、2スティント連続走行として、3スティント目を高橋選手、そして最終スティント加藤選手とする予定。

13:57、フォーメーションラップ開始、14:00にレースはスタート。1、2番グリッドはラップタイムの早いLMP2クラスの2台、それらと少し間隔を開けるカタチで1コーナーに飛び込むGTマシン群。続くAコーナー、そして100Rでひとつ後ろのグリッドにいた62号車(メルセデス)にインからさされ、オープニングは7位。しかし3周目には5位を走行中の5号車(GT-R)、そして8周目には62号車のそれぞれがタイヤトラブルでピットイン、労せず5位に上がる。 ワンツーは16号車と55号車(共にCR-Z)のハイブリッドマシン、続いて61号車(BR-Z)と予想通りJAFGTの3台。4番手に11号車(メルセデス)とランキング上位陣がトップグループを形成。
 その後は判で押したように41秒台で周回する2号車エヴァRT初号機アップルMP4-12Cだが、25周を終え早めのルーティンピット。燃料フルチャージ、と言っても、3ピットにした事で、1スティントでの消費燃料は減った為給油時間は短い。タイヤ4本交換、ドライバーは交代せず。
 このタイヤ交換作業は、レギュレーションによりSUPER GTと大きく異なり見る分にも非常に面白い。タイヤ交換に関わるメカは決められた4名、だが作業エリア(ピット前の白線から先)に出られるメカは2名、作業エリアで使用できるホイールナット脱着用インパクトレンチは1台。外したタイヤは直ぐにピット内に格納しなくてはならない等々、実に細かく規定されている。
練習の成果が表れ、大きなミス無く順調にピット作業をこなしピットアウト。一旦クラス7位となるが、他のマシンもピットストップが行われ再び順位が上がり30周目にはクラス6位、35周位目には5位となる。と、この周、55号車(CR-Z)が白煙を吐きながらスロー走行、そのままピットに入ってしまいJAFGT勢の一角が崩れる。
 前のピットインで外されたタイヤを点検した結果、この2スティント目はもう少し周回数を引っ張る事にし、55周目クラス3位に上がって、2回目のピットイン、ドライバー交代。タイヤ交換、給油作業等は前回と同じ。
 3スティント目担当の高橋選手、アウトラップ以降、42秒から43秒台前半と快走。ピットアウト時の5位をしばらくはキープするが、65周目アウトラップ2周目のクラス4位の0号車(ポルシェ)に迫る。昨年のチャンピオンチームのマシンに追走、66周目にはパスし4位に上がる。
 渡邊エンジニアから「バトルしてタイヤを痛めないように!」と指示が飛ぶ。勿論承知の高橋選手も「丁寧にやっとるよ、丁寧に・・」と返信があるが、67周で一旦1.7秒に広がったリードも、徐々にペースの上がった0号車に詰められ、69周目にはコンマ1秒差となる。ここで無理なブロックは避け、タイヤをいたわる為、翌70周目、0号車を先行させ追走する事にする。
共にあと1回(3回目)のピット作業を残した4位争い、チャンピオンドライバー駆る0号車は41秒中盤でラップ、それに対し高橋選手はタイヤへの負担を減らし42秒前半・・徐々に離され、82周目、3回目のピットイン直前には13秒差となった。  最後のピットストップでは残り周回数22〜23周(約36分)となった為、残存燃料を“精算”、給油時間を一気に20秒短縮、NEWタイヤで加藤選手がラストスパートをかけた。
 クラス順位は6位に下がるも、40秒台で飛ばす加藤選手。トップは既に2周先行する16号車(CR-Z)2番手11号車(メルセデス)。1周先行の61号車(BR-Z)、0号車(ポルシェ)、同一周回の52号車(メルセデス)に続く。85周を過ぎ、トップの16号車以外で、11号車と加藤選手だけ40秒台のハイペース!約50秒前行く52号車はピットイン1回という奇策、エコ走行で後半スティントに挑んだようだが、終盤に入り全くペースが上がらず、みるみる追いつき99周目にパス、5位に上がる。
 4位、0号車は98周目のピットインで同一周回に追いつくものの、我々より約30秒も短いピットストップ(給油のみ)の為、約30秒のリードを築かれてしまった。その後も41秒台、そして103周目には1′40″205のベストをマークした加藤選手、104周クラス5位でチェッカー。
 シリーズ戦ではないが、シリーズポイントが付与され、今シーズン初となる3ポイント獲得。シーズン序盤のトラブルも消え、タイヤも絞り込めてきた。また日本の燃料合わせたセッティングに、メーカーも意欲を示してきており、上向いて来た事を実感できるレースとなった。 



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