Failure is an option, but fear is not.

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REPORT

JeGT GRAND PRIX ZERO ROUND @KOBE レポート

9月29日(日) 

 

Race1  Race2

 

 イベントは初の開催ながら、現役SUPER GTドライバーやプロゲーマーなどが混在する豪華な顔ぶれで14チームものエントラントが集まった。
佐藤選手、元嶋選手はリアルなレースにおいて上位を争うプロドライバーであるが、今回の使用タイトルである「グランツーリスモSPORT」はほとんど経験が無く、少ない練習時間の中でいかにアジャストしていくかが課題となった。
レースの方式は各チーム代表1名による予選レースが2グループによって行われ、各グループ上位3チームの合計6チームが決勝へ進出。
予選通過ならなかったチームは各チーム2名ずつの敗者復活戦、1名ずつレースを行いその合計順位上位2チームが決勝へ進むチャンスを得る。
まずは予選通過を確実なものにする為、予選レースを担当する佐藤選手が、朝の練習走行時間25分をフルで走ることになった。
予選レースの舞台となるのは筑波サーキット。
佐藤選手はこのコースを走り慣れていない上に、GT3マシンには手狭いサーキットである。
走り始めの時点で低速コーナーでのアンダーステアが強く、タイムを伸ばすことが出来ない。ゲームとはいえマシンセッティングが忠実に再現されており、佐藤選手はセットアップ作業を進めながら、タイムアップを果たしていった。
 
その後ステージでは「プロレーサーとeスポーツ」のトークショーが行われて、両選手ともに自身のレースキャリアを振り返りながら、現役のプロレーシングドライバーならではの視点で今回の大会の意気込みやこれからの可能性を語って会場を盛り上げた。
 

Race3  Race4

 

そして11時30分、予選レースが始まる。
実際のレースさながらの緊張感の中、佐藤選手も真剣な表情でコックピットに収まる。
佐藤選手は4番手グリッドから落ち着いたスタートを切り、ポジションキープ。
しっかりとトップグループにつけていたものの、激しい首位争いでスピンしたマシンに巻き込まれてしまい、大きくタイムロス。
その後も必死に前を追いかけていくが、開いてしまった差は大きく4位にてフィニッシュ。残念ながら予選通過を逃してしまった。
しかしまだ決勝進出のチャンスは無くなった訳ではない。敗者復活戦に頭を切り替えて、コースの予習とセットアップ変更のミーティングを行う。
 
そして14時45分敗者復活戦が始まる。
舞台となるのは首都高をイメージしたオリジナルのストリートサーキットだ。
セッティングのフィーリングも確かめる為、まずは佐藤選手がマシンに乗り込み第1レースを闘う。
ポールスタートの佐藤選手はスタートの混乱に巻き込まれてしまい、少し順位を落とすものの、タイムは速く、2位まで順位を巻き返しトップを追いかけていた。
しかしその矢先、明らかにオーバースピードのマシンにプッシングされてしまい大きく順位を落としてしまう。さらに何故か佐藤選手にもゲーム上の接触ペナルティが下されてしまう。それでも佐藤選手は最後までプッシュを続けて4位にてフィニッシュを受ける。
速さがありながらも、周りのマシンに翻弄されフラストレーションの溜まるレースとなった。
 
続いて元嶋選手が本日初めてステアリングを握り第2レースを闘う。
ポールにてスタートを決めた元嶋選手はスタートの混乱からうまく抜け出し、トップ独走。周を重ねるごとにファステストラップを更新し、一度もトップを譲ることなく、フィニッシュ。完璧なポールトゥーウィンを達成した。
この元嶋選手の快走と、不条理な状況の中最善を尽くした佐藤選手の走りが効き、エヴァンゲリオンレーシングは2位にて決勝進出を果たすことに成功した。

 

Race5  Race6

 

そしてついにメインイベントである決勝レースを迎える。
決勝レースは鈴鹿サーキットを舞台に50分の耐久レースとなり、タイヤ・ガソリン消耗が通常より早くシミュレートされ、ドライバーチェンジも2回必須と、かなり本格的なルールとなっている。
レース直前に30分の練習時間が設けられ、ドライバーチェンジの練習や複数あるタイヤのライフを確認する。
 
しかし先ほどのセッティングでいざ鈴鹿を走ってみると酷いオーバーステアが出てしまう。ドライビングでアジャストを試みるものの、まったくアタックが出来ないほどの状況だ。しかし他のメニューもテストしなくてはならない為、満足な修正を行う事が出来ずに時間切れとなってしまった。
不安要素を抱えたまま決勝レースに挑むことになったエヴァンゲリオンレーシング。
 
スタートドライバーは佐藤選手が務める。
会場の緊張感がピークになるとともにシグナルグリーン!
8番グリッドの佐藤選手は、1コーナーにてトップのマシンに並びかけるほどの抜群のスタートを決める。しかし2コーナーにてグリーンにはみ出してしまいポジションを下げてしまう。
その後もやはりオーバーステアが強く、マシンをコース上にとどめて置くだけで精一杯の状況になってしまい、トップグループに大きく遅れをとってしまう。
 
そして9周目に元嶋選手へバトンタッチ、タイヤを1番柔らかいスーパーソフトに履き替え、ガソリンを給油しピットアウト。
元嶋選手は果敢に前のマシンを追いかけていき、ベストタイムを更新するが、やはりオーバーステアに悩まされ、トップグループのファステストラップとは数秒の差が開いてしまっている。
22周目に佐藤選手が再びステアリングを握り、暴れるマシンをなんとかコントロールし、
8番手にてチェッカーを受ける。
 
敗者復活戦にて抜群のスピードを見せた二人だったが、決勝レースはマシンセッティングに苦しめられてしまい不完全燃焼に終わってしまった。
しかし事前練習がほとんどない中、限られた時間を有効に使い、ドライブもセットアップもアジャストしていく様子はプロレーシングドライバーの力を見せつけてくれた。

 

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