Failure is an option, but fear is not.

template: single.php

$POST_TYPE: post

$cat_id: 7

$cat_name: report

$cat_slug: report

REPORT

ル・マン24時間耐久ロードレース 決勝レポート

4月15日(土)-16(日)  

kessho1kessho2

4月15日(土)現地時間15時、フランスのブガッティ・サーキットで世界耐久選手権第2戦「ルマン24時間耐久ロードレース」のスタートが切られた。
「エヴァRT Webike TRICKSTAR」はギリギリまでマシンの調整を行いスターティンググリッドに着いた。

 

スタートライダーはエルワン選手。詰めかけた観客が見守る中、ルマン式で一斉にエンジン音と共に走り出した。
エルワン選手、順調なスタートで着実にポジションアップ!ピットインし2ndスティント出口選手にマシンを託す。

出口選手から3rdスティントジュリアン選手へと順調に周回を重ね、再びエルワン選手にライダー交代。

 

エルワン選手は無理のないペースで5番手までポジションアップ!
ボルドール24時間耐久で3位となり表彰台を獲得した原動力となり、今ではチームに欠かせないライダーとしてチームを支える存在であるエルワン選手。
2015年にはスズキエンデュランスチームから参戦しルマン24時間の覇者という実績も備えている。
3時間を過ぎたころだった、そのエルワン選手の前に突如ラインを不自然に変更する周回遅れのライダーが出現。

エルワン選手は避けきれずに転倒、グラベルに投げ出されてしまった。

 

ルマン24時間耐久は、ライダーにとって夢の舞台、ここを走りたいと願うライダーたちがひしめく世界。
初参戦ライダーも多く、その全てのライダーが、安心してバトルができる相手とは限らない。
そのことはエルワン選手は十二分に知っていた。

しかし、それでも無謀とも思える走りをするライダーを避けることは、あのエルワン選手をもってしても出来なかった。

 

モニターで転倒を確認したピットでは、すぐに修復の準備を整えた。
なかなかエンジンがかからなかったがなんとかエンジンを掛けて、エルワン選手は自力懸命にピットまで戻った。
スタッフは迅速にマシンを修復、カウルを変え、傷ついたパーツを付け替える作業を7分27秒で終了、出口がコースへと飛び出して行った。
その転倒によりポジションは6位から47位と大幅に遅れをとってしまった。

転倒したエルワン選手は肋骨を強く打ち骨折してしまったことを自覚していたが、走り続ける意志は変わらず強かった。
その後も強くテーピングした身体でマシンにまたがり、トップ争いするライダーたちと変わらぬタイムで周回、それは出口選手もジュリアン選手も同じです。

 

通常のルーティーンに戻り快調に周回を重ね、驚異的な追い上げをみせた!
長い夜もミスなくパフォーマンスをフルに発揮し続けた!!
20時間の時点で、一時は47位まで落とした順位を10位にまで挽回!
あと残り4時間で、さらにどこまで追い上げることができるのか注目を集めていた。

 

その時、今度は出口の転倒がモニターに映し出された。
トップを走行していた#94 GMT94 YAMAHAのマシンがとても危険なラインで無理にインコーナーから出口選手を交わし接触。
エヴァRT Webike TRICKSTARと出口選手がグラベルへはじき飛ばされた。
出口選手はすぐに起き上がり、ピットに戻ることが出来た。マシン修復を終えると代わってジュリアン選手がコースへと飛び出した。
出口選手、エルワン選手、ジュリアン選手と繋ぎチェッカーを目指した。
最後の1分1秒まで諦めない走りをつら抜き、最終12位でチェッカーを受けた。

 

出口選手の転倒は危険な走行により接触されたが#94 GMT94 YAMAHAにペナルティとはみなされることはなかった。
この大会競技委員会に鶴田監督は危険行為として審議を申請を行った。
その目的は罰することではなく、よりクリーンで安全なレースをしてもらうために・・・。
その願いは、相手にも伝わり、誠意ある謝罪があり、転倒してしまった事実を消すことはできないが、出口選手も気持ちを切り替えることが出来た。
エルワン選手は痛みをこらえながら、自分の与えられた時間を走りきった。
そのタイムは怪我をする以前と変わらないもので、ライバルたちは、エルワン選手が痛手を負ったことを気がついてはいないはず。
スタッフたちはエルワン選手の頑張りに支えられた。

ジュリアン選手は、ミスなく安定した走りで、2人のライダーを助けてくれた。
想い描いていた結果を得ることは出来なかったが、59台が出走し22台がリタイヤ、

37台が完走という過酷なこのレースを2回の不運な転倒に見舞われながらも戦いきることができたことを誇りに思う。

 

reporttop