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第1戦 岡山国際サーキット 決勝レポート

4月1日(日) 晴れ/ドライ

● フリー走行

メカスタッフは7時にサーキットに到着。 どうやら、やっと完全ドライの走行ができそうだ・・・と思っていたが、8時前にパラパラっと雨が落ちてくる。しかしこの雨は、路面のコンディションを左右する事無く直ぐに上がり、フリー走行が開始される。気温は相変わらず低く7度、路温も大差ない一桁である。予報では午後も晴れ、気温の上昇と、それに伴い路温上昇もありそうだ。スタートタイヤはもう決まっているので、それのタイヤライフ、途中交換時のタイヤチョイスがレースを左右すると思われる。今シーズンはレース距離が300kmとなった為、昨年の様なタイヤ無交換作戦は優位とはいえない。我々も交換予定である。FIAGT3勢に対し有利なのは、給油時間と、パワーの乏しい分ソフトタイヤが選択できる事である。

朝のフリー走行で、“やっと”レースに向けたセッティングに入る。とはいえ、過去の豊富なデーターは大きく外れる事はなく、加藤選手により、フルタンク状態で3周目33秒台で2番手タイムをマーク。無論、他のマシンもタイムを上げて行くが、加藤選手も30″605までタイムアップ4番手タイムとなる。その後交代した高橋選手も35、34秒台から、直ぐに32″550までタイムアップ。両ドライバー共、決勝レースでのジャンプアップを予感させるタイムを見せつけた。


● 決勝レース

開幕戦、定刻通りフォーメーションラップに入る。今回は久々に高橋選手がスタートドライバーだが、高橋選手がスタートを務めるのは、紫電デビューの2006年の第7戦モテギ以来、足かけ6年振りである。  1周のフォーメーションラップでレーススタート。500も300も混乱は無くオープニングを終える。JAFGTの1台43号車(Garaiya)は、スタートタイヤを変更する為ピットスタートとなり最下位となり、2号車高橋選手は22位で通過。下位グループでタイヤを温めている間、ポジションは殆ど変わらなかった高橋選手だったが、9周を終えまず20位へ・・・。
 翌10周目には19位へと上がるが、前を行く4号車(BMW)に詰まってしまった。昨年のチャンピオンマシンとチャンピオンドライバー番場選手がドライブする4号車、各コーナーで詰め寄るものの、ハイパワーを活かしストレート先行され、なかなかオーバーテイクのチャンスがこない。テクニカルサーキットである、ここ岡山なら先行すればリードを広げる事ができるのだが・・・・。そんなテールtoノーズ状態はピット予定周回まで続き、オーバーテイクは果たせぬまま24周を終え高橋選手がピットに戻ってきた。
 ここまでにピットインを済ませたチームもあるが、トラブルや、選択ミスのタイヤ交換等予定外のピットインで、給油、ドライバー交代のルーティンピットは300クラス最初のピットインである。昨年は、オートポリス以外はタイヤ無交換作戦を取った上、給油時間も短かった為、ドライバー交代時間がピットストップのカギであった。だが今年は、レース距離が長くなった事と、パワーアップに伴い消費燃料が増えた事、タイヤ交換を行う事等でピットストップが長くなる。ドライバー交代も十分な余裕ができた。また初戦という事もあり、全スタッフがミスの無い、確実な作業を目標とした結果、43秒のピットストップ(抜群に早いわけではないが悪くはない。)で加藤選手を送り出すことができた。
 見かけの順位こそ2位だが、中終盤の追い上げを期待したい。それに応え加藤選手は力走。アウトラップ以後32~33秒台にペースを上げ、30周目に19位、35周目18位、この頃になると他のチームもルーティンピットが始まった事もあり、36周目には32″945のベストタイムで16位に上がる。トップ(未だノーピット)からは既に2周遅れ約190秒程マイナスとなったが、ポイント圏内の10位付近は約70秒前方で、それら前を行く多くのチームは34~35秒台で、未だノーピット。
 残り周回は約30周、このペースで追い上げれば決してポイント圏内は無理ではない。40周を終え14位。10位360号車(コルベット)、11位61号車(スバルBRZ)、12位30号車(アウディR8)、13位66号車(アストンマーチン)、そこから5秒マイナスで2号車加藤選手が続く。10位360号車とは58秒差だが、先行する4台中、このマシンだげが未だノーピットである。また9位までのチームのピットインもあり、45周目には11位とポイント圏内まであと一歩となったが、レースは3分の1が残っており、まだ波乱がありそうだ。46周を終えた61号車がマシントラブルでピットに入りそのままストップ。47周目に入った4位の3号車(GT-R)が、スピン、コースアウトで大きく順位を落とし、加藤選手は9位ポイント圏内に入る。
 トップ6は911号車(ポルシェ)、11号車(アウディR8)、33号車(ポルシェ)、0号車(BMW)15号車(ポルシェ)、87号車(ランボルギーニ)と多彩なFIAGT3勢が占め、32~33秒台の快走を続ける。9位の加藤選手は15秒先行する30号車(アウディR8)をターゲットとしてマシンに鞭をいれる。毎周約1秒弱程その差を削りとっていき、52周目マイナス13秒、54周目にはマイナス10秒となるが、30号車も、加藤選手を振り切らんとペースを上げ、その差はなかなか詰まらず60周でマイナス9秒。残り周回は16~17周。500クラスが82周終えた時点でチェッカーだ出され、300もその時点でレース終了となるので、500のトップの位置によってゴール周回が変動するので、タイム差からおおよその周回を割り出しており、今回は76~77周。
 加藤選手「あと何周?!!」との問いかけに渡辺エンジニア「ヒミツです。」順調なポジションアップに、余裕の空気が充満している。無論、後ほど残り周回を伝え、加藤選手はタイヤを使い切るべく更なる快走を続け、63周目マイナス8.6秒、65周目マイナス6.8秒、67周目6.4秒とジワリジワリと30号車を追い詰める。そんな中、5位の87号車がコースアウト、グラベルにはまりストップ。30号車と共に7、8位へと繰り上がる。
 69周目32″894のベストタイムを更新。安定したペースの加藤選手に対し、30号車はタイムがバラつき始め、70周目には3秒差、72周目は0.45秒差!30号車の前は1周先行する、33号車(ポルシェ)と0号車(BMW)、熾烈な3位争いだがペースは35~36秒台と早くはない。
 73周ダブルヘアピンから最終コーナーで30号車に肉薄!その前を行く、3、4位の2台はサイドバイサイドで最終コーナーからストレートへ。サインガード側を並走する2台に対し、アウト側を取る30号車。3台のFIAGT3マシンに離される2号車加藤選手。だが1コーナーの飛び込みは4台団子状態。1コーナー飛び込みでインから先行した33号車だったが、アウトに膨らんだ所を0号車に抜き返される。2コーナーまでに並走から、縦走となった2台の後ろについて”しまった”30号車の右サイドから加藤選手が仕掛ける。団子状態の接近戦での加藤選手の真骨頂!!2コーナーアウト側から30号車と、33号車を一気にパス、7位へ浮上!!0号車の後ろに入り、ヘアピンまでに30号車とのアドバンテージを広げたい。裏ストレートでは30号車が圧倒的に早く、まだ油断はできない。0号車のスリップは、速度差がありすぎ全く利用できない。ストレートで追いついた30号車、ステレートエンドでアウト側から加藤選手の前に出る!!だがイン側の加藤選手はこれをブレーキングでかわし、ポジションは譲らない。
 ここまでに先行されなければ、あとはミスさえなければ紫電にとっては安全圏。ダブルヘアピンで500クラスのトップが追い越して行く。残り周回は3周から2周となり、その後は大きな波乱も無く周回、今季開幕戦は手堅く7位チェッカーを受け、4ポイントをGET!!


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