Failure is an option, but fear is not.

template: single.php

$POST_TYPE: post

$cat_id: 7

$cat_name: report

$cat_slug: report

REPORT

ボルドール24時間耐久ロードレース 第80回大会 決勝レポート

9月17日(土)-18(日)  

 

スタート進行が開始され、サイティングラップでグリッドに着き選手紹介がジ始まった。そしてウォームアップラップで再度グリッドに着きスタートとなるが、転倒車両がありスタートディレイ。一度、ピットに戻り仕切り直しとなる。

 そして15:10、第80回ボルドール24時間耐久レース、戦いの火蓋は切られた!


1st スティント エルワン・ニゴン
adr8421_942

スタート直後は7番手を走行。スタート直後は混乱が起きやすく転倒する車両も多いので、周りの状況を把握しながらのポジションキープ。しかし、2周目にタイムモニターに掲示されたのは、ミストラルストレートで最高速が実測で343km!その後もコンスタントに330kmオーバーを記録していく。3周目に#94を抜き6番手にポジションアップ。更に4周目に#50と#111を抜き4番手に浮上した。そして7周目に#11をミストラルストレートで抜き3番手に。ジワジワを後続を引き離しながらスティント終盤に、サインエリアからエルワン選手にピットに入るようBOXのサインが出される。しかし2回に渡ってBOXのサインを見ながらエルワン選手はピットに入ってこない。テストからレースウィークを通じて各ライダーの燃費計算をした上でのピットサイン。もしやガス欠で止まってしまうのではないかとピットでは心配しながらも、結果23周を消化しピットイン。

 

 


2nd スティント 出口修
 ピットアウト後、ホームストレートに戻ってきた順位は4番手。スティント3周目に#13を抜き去り3番手にポジションアップ。そしてスティント4周目には#94が転倒してしまったのかピットに戻りピット作業を行う映像がモニターに映し出された。出口選手は順調に周回を重ねた。スティント23周目に#11がピットイン、更に24周目に#111がピットイン。出口選手は25周のスティントを終えピットに戻った。


3rd スティント 井筒仁康
 ピットアウト後、5番手でストレートを通過。前に#111がマイナス14秒、後ろに#5がプラス31秒差。レースウィークの予選中に関わらず、決勝をコンスタントに走れるようマシンセッティングを煮詰めていた井筒選手は順調に周回を重ねている。スティント7周目に#13が転倒なのかトラブルなのか後退しポジション4に上がる。前と後ろの差が殆ど膠着状態で周回を重ね、スティント24周目に先行する#111がピットインし3番手に上がる。そして燃費の良い井筒選手は、着実にラップを重ね26周を終えピットイン。


4th スティント エルワン・ニゴン
 エルワン選手が1周を周回しストレートに戻ってきた際の順位は4番手。トップ10の順位は、#1、#11、#111、#10、#5、#7、#96、#333、#36、#18。流石に有力チームが上位を占めている。#111との差は序盤45秒あったがスティント20周目に#11と#111が入れ替わり、差がマイナス16秒。確実に前との差を縮め、後続との差を拡げピットイン。


5thスティント 出口修
adr8654_1175スティント2周目の順位は5番手。確実に自分達のペースを守り周回を重ねていく。スティント16周目に#7がピットインし4番手に。そして23周目に#111がピットインし3番手に上がりピットに戻る。このピットインのタイミングで各チームの燃費が見えてくる。1回でも給油作業を少なくするのか…、または燃費を考慮せずにフルパワーで走るのか…、24時間耐久を走り抜くため、各チームの攻防が繰り広げられていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

6th スティント 井筒仁康
井筒選手がピットを後にしコースインした直後、コースで転倒車両が発生しその処理を行う為セフィティーカー(以下SC)が導入された。SCは1周5.791Kmのコース上に2台が導入される。SC導入タイミングが少しでも速ければ、ピットロード出口で待機させられ後続のSCの後ろに隊列を組まされ、あやうく半周の遅れになるところだった。再スタート後、ポジション5で周回を重ねていると再びSCが導入。この時に前を走っていた#7が通常ルーティーンのピットインしていたため、#10はポジション4に上がる。ポジション5の#7とは1分以上の差がついた。やはりSC導入時にピットに戻るのは、1分のビハインドを負ってしまう。このスティントで2回のSCが入ったが、井筒選手の燃費走行が功を奏し28周でピットに戻る。


7th スティント エルワン・ニゴン
エルワン選手がストレートに戻ってきた際の順位は5番手。スティント10周目に#7がピットインし4番手に上がる。この頃は既に夜間走行に入り、各車安定したラップタイムを刻んで周回を重ねていた。スティント13周目に#11がピットイン。少しタイミングが早いピットインに見受けられる。そしてスティント22周目に#111がピットイン。エルワン選手は確実に25周を終えピットに戻ってきた。


8th スティント 出口修
adr7860_675出口選手がストレートに戻ってきた際の順位は5番手。スティント4周目にSCが導入された。先行していた#7を追いかけ差を縮めていた時だったが、今度は#7との間にSCが入り1分以上の差が開いてしまう。SC解除後のスティント9周目に#7がピットインし4番手に上がる。そしてスティント17周目に先行していた#111が転倒し再びSC導入となる。#10EVAはポジション3に上がったが同じSCの隊列に#7が1秒以内で着いている。SC解除後、#7に先行されるが、抜き返し3番手でピットに戻ってくる。

 

 

 

 

 

 

 

9th スティント 井筒仁康

この井筒選手のスティントは、体感温度・路面温度とも下がる中、安定したラップタイムを刻み確実に周回を重ねた。先行する#7との差はマイナス60秒前後、そして後続の#14との差は1周と、スティント前半から終盤までほぼ変わらず、夜明けを目指して各車コンスタントに走行していた。

 

10thスティント エルワン・ニゴン

エルワン選手もこのスティントは2分1秒台でラップを重ねた。夜間走行でありながらコンスタントに1秒台でラップするのに対し、後続の#14はタイムが安定しない。そしてスティント16周目に#14がピットイン。#14がストレートに戻ってきた時には2周差になっていた。

 

11thスティント 出口 修

 出口選手がストレートに戻ってきた際のポジションは4番手。スティント6周目に先行していた#11がピットイン。通常ルーティーンではなくピットボックスに入りリアアクスルシャフトのトラブルでスイングアーム交換を行っていた。#11は約7分間のストップで順位を8番手まで下げ、我々はスティント7周目にポジション3にアップした。

 

12thスティント 井筒 仁康

 井筒選手がストレートに戻ってきた際のトップ10は、#1、#7、#10、#14、#5、#11、#8、#333、#96、#4。#7との差はマイナス67秒。後続#14との差は1周。確実にポジション3をキープしながらスティントを消化していった。

 

13thスティント エルワン・ニゴン

 この頃になると、前後との差は1周とタイムモニターに掲示されていた。スティント12周目にSCが入ったが、トップ10の順位に変化は見られなかった。スティント終了時点でトータルラップ数が332周。

 

14thスティント 出口 修

adr8838_732 このスティントで、スタートから24時間の想定走行周回数の半分を消化した。各スティントを終えピットインの際、メカニックはタイヤ交換・ガソリン補給は勿論、ブレーキパッドの消耗・オイル消費・チェーングリスの充填など、迅速且つ確実にピット作業を行う。そして走行を終えたライダーにマシンの状態を聞き、次のピット作業に備える。24時間走りぬくため、メカニックも24時間、いや…それ以上の時間を緊張のなか闘い続けているのだ。

 

 

 

 

 

 

 

15thスティント 井筒 仁康

 まだまだ夜間走行が続くいていた。この頃になると、転倒やマシントラブルで戦列を去りピットシャッターが閉められているピットが増えていた。だが、井筒選手は丁寧に走行を続け、快走を続けた。スティントを終える際の順位は、#1、#7、#10、#11、#14、#5、#8、#333、#96、#4。#11が追い上げていた。

 

16thスティント エルワン・ニゴン

 エルワン選手も、2分1秒台をコンスタントに記録しながら周回を重ねるが、他チームのライダー達が走行ラインを外すことが多くなり、慎重に抜きながらスティントを消化した。

 

17thスティント 出口 修

 このスティントまでに先行していた#7とは2周差に拡がり、後続の#11が迫ってきていた。#11に1周差から86秒差まで詰められたが、先に#11がピットインした。

 

18thスティント エルワン・ニゴン

 このスティントは井筒選手の予定だったが、鶴田監督の采配でライダーの疲労度を考慮しエルワン選手の走行となった。スティント10周目にタイムモニターに、前を行く#7のテクニカルプロブレムが掲示された。マシントラブルが#7を襲ったのだ。そしてスティント11周目、トータル周回数443周目、#10はポジション2に浮上!#7はそのままリタイヤとなった。

トップ10は、#1、#10、#11、#14、#5、#8、#96、#33、#4、#111。

 

19thスティント 井筒 仁康

adr8762_1577 コースインしストレートに戻ってきた順位は、ポジション2。トップを走る#1とは9周差、3番手の#11とは50秒差。スティント9周目に5番手走行中の#5がピットインしリア周りの作業を行っていた。スティント17周目に#11に先行されポジション3に。しかし、スティント21周目に#11がルーティーンのピットインを行い、ポジション2に戻る。トップ#1とは離れているが、2~4番手までは、少しのミスで順位が入れ替わる白熱した展開だった。

 

 

 

 

 

 

 

20thスティント 出口 修

 トータル周回数も480Lapを超え、コンスタントに周回を重ねポジション3をキープしている。先行する#11との差はマイナス80~90秒。後続の#14との差は1周。スティント22周目に#11がピットインし40秒差まで縮まる。

 

21thスティント エルワン・ニゴン

 エルワン選手もコンスタントに周回を重ね、#11との差はマイナス90秒程。#14との差は1周。各チームがピットインを行うと差が縮まったり拡がったりするが、後続の#14との差を確実に拡げていった。

 

22thスティント 出口 修

 周回するラップタイムを見ていても安定していて走行を見守っていた。ポジション3をキープしながら、出口選手も後続#14との差を拡げていった。

トップ10は、#1、#11、#10、#14、#5、#8、#96、#4、#33、#111。

 

23thスティント 井筒 仁康

 レースも終盤になるともコース上を走っているマシンの数が減ってきて、走りやすい。しかし、何が起こるか想像もつかない24時間耐久レース。走行中はホームストレートを通過するときに、サインエリアへ何かしらのアピールすることだけがライダーからのサインになる。そのサインを見逃さないよう、毎周注意深くライダーの動きを観察していた。井筒選手も確実に25周の周回を終えピットに戻った。

 

24thスティント エルワン・ニゴン

 トータル周回数580周を熟し、エルワン選手に交代。トップ5台は膠着状態だった。#111が転倒から復帰し10番手まで挽回していたが、マシントラブルでリタイヤ。各チームのマシンには相当なストレスが溜まっている。ミストラルストレートは6速全開域が非常に長く、エンジンへの負担も大きい。しかし#10EVAのマシンはコンスタントに330kmを上回るスピードを維持していた。

 

25thスティント 出口 修

 残り時間から、あと3回のスティントが予想された。出口選手は最後の走行になるかもしれないと理解し、確実に25周のスティントを消化しピットに戻った。後続の#14とは2周差に拡がっていた。

 

26thスティント エルワン・ニゴン

 走行準備をするエルワン選手にも相当な疲労は蓄積が見られた。だが、エルワン選手、いざマシンに跨りコースに出ていくと、それを感じさせないラップタイムで快走を続けた!24周を消化し、最後のピットイン。そこには井筒選手が待ち構えていた。

 

27thスティント 井筒 仁康

 出口選手に最終スティントを任せゴールする案もあったが、疲労度合を考えると井筒選手にゴールまでを任せようと鶴田監督が判断した。エルワン選手からマシンを受け取る際、強いアイコンタクトを交わしコースへ出ていった。15:00ゴールまで残り時間を考慮すると22周。毎周、サインボードの残り周回数を確認しながら確実にラップを刻む。過去に苦い思いも経験した…レースは最後まで何が起こるかわからない…。ピット内の誰もが、祈るようにタイムモニターを見つめていた。長い長いボルドール24時間…、チェッカーが振り下ろされた…。

 #10  EVA RT TEST TYPE-01 TRICK STAR 676周 総合3位。世界の大舞台で、念願の表彰台を勝ち獲った。

adr0162_1361

 

reporttop