エヴァンゲリオン レーシング Super GT & ROADRACE


EVA Racing SUPER GT 2013

RUN'A Entertainment,Inc.

REPORT

特別戦 富士スピードウェイ 決勝レポート

11月23日(土) 晴れ/ドライ

● 決勝第1レース  晴れ/ドライ

SUPER FORMULA、F4、ヴィッツレースと、多彩なマシンの予選、決勝を経た午後1時50分、第1レースのウォームアップが始まる。このスプリントカップは、隊列を組んで、ゆっくりと走りながらスタートする通常のローリングスタートではなく、スターティンググリッドに一旦マシンを止めて、そこからスタートするスタンディングスタートなる。その為、このスタートのテクニックも重要となる。ウォームアップでは、ピットロードエンドでスタート練習ができ、多くはスタート練習を行っている。だが、「エヴァRT初号機アップルMP4-12C」は、今夏、クラッチにトラブルが発生し、目下の不安要因でもあり、このクラッチに負担のかかる、スタート練習は行わない。
午後2時5分フォーメーション開始・・・1周の後スタンディングスタート。トラクションコントロール等電子デバイスの助けもあったものの、きれいなスタートを切る高橋選手。ストレート上での攻防、そして1コーナーではアウトに膨らむものの踏みとどまり、オープニングラップは14位。2周目には2台のメルセデスにも抜かれ16位にまで後退。その後は40秒から41秒台、40″471のベストタイムも出し、中団グループの中では速いタイムで接戦を演じ、7周目には14位、翌周には13位にまで追い上げる。
だが、9周目には14位、12周目までに再び16位にまでドロップ!タイムも42秒〜43秒台へと落ちこむ。ここ2戦、オートポリス、モテギ同様、このままズルズルと下がっていってしまうのか・・・。 だが、13周を過ぎ、中団グループでの接戦の中、コンスタントに41秒台でラップし、15位、そして14位へと上がる。この順位も、コントロールライン上の順位で、コース上各所で順位を入れ替えるバトルを展開し、22周を終了し最終的には14位でチェッカー。
 結果はいまひとつだが、今シーズン最後に続いたレース展開を払拭する好タイムの熱戦は、高橋選手の来シーズンを占う有意義なシーズンラストランと言える。

● 決勝第2レース 晴れ/ドライ

 今年最後のSUPER GTレースイベントとなる今日、昨日の第1レースと同様、午後2時5分から22周のスプリント、第2レースが行われる。それに先立つウォームアップで、本来なら、完全停車の状態からのスタート練習が行いたい所だが、昨日の第1レース同様クラッチへの負担を避ける。その為、加藤選手はピットロード閉鎖ギリギリとなる4周回をこなし、完全停止からではないが、スタートの感触を確かめる。ピットロード閉鎖時刻までにコースインしないとピットスタートとなってしまい、スプリントレースでは致命的な遅れとなる。またスタンディングスタートは、特にスプリントレースではレースを大きく左右する重要なテクニック。一昨年のJAFGPにおいては、ベテランの加藤選手でもなんと(レース人生で初めて・・)エンストを喫し、大きく順位を落としている。
 フォーメーションラップを終え、7番グリッドに着いた加藤選手、レッドシグナル消灯!レーススタート!!素晴らしい、スタートを切った加藤選手、1コーナーではなんと3番手に上がる。そんな加藤選手のロケットスタートより、もっと先を行ったのがポールポジションの3号車(GT-R)!だがこれは、明らかにジャンプスタートと思われ、TVモニターに「反則スタート検証中」のテロップが流れるが、オープニングラップは3号車、55号車(CR-Z)に続き3番手で通過。  そして3周目にはその3号車にドライブスルーペナルティの裁定が下され、実質2位に上がり55号車を追撃、6周目にはテールtoノーズとなり、7周目のストレートエンド、トップスピード勝負で前に出てトップへ!!
 その頃、3番手に上がってきたのが、昨日の第1レースでも中盤までトップを快走した35号車(GT-R)。ややペースの落ちた55号車が蓋をする形で抑えられていたが、8周目には2位に上がり、2号車に迫る。
 加藤選手から「100Rとかリヤがタレタレ!!」とマシンの厳しい状況が伝えられる。このレース、ウィングを寝かせ、トップスピードを稼ぐセッティングの為、ダウンフォースが減少、高速コーナーでは厳しい事は予想されていた。ストレートの速い35号車に、ストレート半分を含む第1セクターで詰められるものの、第2セクターでは抑えきり、第3セクターでは加藤選手がややリード、続くストレートを逃げ切るマージンを作る。39秒後半で迫る35号車、40秒前半で逃げる2号車、徐々に差を詰められていたが14周目、何かトラブルを抱えたか?突然ピットイン、大きく後退した。
 2位、55号車に3秒リードでこのまま逃げ切りたいところだが、その55号車の後方に新たな伏兵、11号車(メルセデス)が現れる。55号車の40〜41秒台に対し、39秒後半の11号車は17周目に55号車をパスし、2号車加藤選手の1.5秒後方に迫る。残り周回は5周。
 19周目にはテールtoノーズとなり、残り3周、各コーナーで激しいつばぜり合いとなる。高速コーナーで攻め立てられる2号車加藤選手だが、ストレート中盤からの伸びは2号車が上を行く。真夏のセパンではこのメルセデスのトップスピードに舌を巻いたが、この寒くなった時期なら「エヴァRT初号機アップルMP4-12C」が速い。

そんな攻防はファイナルラップまで続き、第2、第3セクターのテクニカルセクションを抑えきり最終コーナーを先に立ち上がる2号車加藤選手。その状況をピットのモニターで見届けたクルーが、サインエリアに集まり加藤選手を迎える。もう大丈夫だ!!
 0.5秒後ろに11号車を従え「エヴァRT初号機アップルMP4-12C」加藤選手がトップでチェッカーを受ける!!昨年のJAFGPでの2位に続き2年連続表彰台、2010年のSUGO戦以来の優勝だ!この予想以上の結果は、今シーズン長いトンネルに入り、明かりがチラッと見えつつも、なかなか脱出できなかったチームにとっては最高のサプライズ。
 優勝インタビューで見せた加藤選手の涙は、チームクルー、ファン、全ての思いでもある。



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