エヴァンゲリオン レーシング Super GT & ROADRACE


EVA Racing SUPER GT 2013

RUN'A Entertainment,Inc.

REPORT

第8戦 ツインリンクもてぎ 決勝レポート

11月3日(日)

フリー走行  晴れ/ドライ

レースウィーク3日目となる決勝日、サーキット全体が霧に覆われ、走行にさほど支障はないもののライトオンで、朝一のフリー走行は始まる。  決勝想定の燃料を積み込み加藤選手がストレート1本、その後は高橋選手が計測8周と周回を稼ぐ。最後再び加藤選手で数周といった具合で全体的なバランスの確認といった感じで、高橋選手、加藤選手、それぞれ1′53″226、と1′54″215でクラス21番手。サーキットサファリは全て高橋選手が走行。レース想定のマシンで54秒台は“十分”決勝レースで戦えるタイムだろう。



決勝レース  晴れ/ドライ


この最終戦モテギは、2つ、シリーズ戦と異なる事がある。通常シリーズポイントの2倍の「kg」ウェイトハンディが積まれるが、この最終戦では、それが全てゼロになる。(前戦オートポリスはシリーズポイント分の「kg」)早い話が、今シーズン強かったマシンが、より速くなるのであり、残念ながら、今シーズンの我々には殆ど関係無い話である。(3ポイント=3kgは降ろせる。)
 もうひとつは、レース距離が250kmとシリーズ戦では最も走行距離が短いのである。この短さから、チームによってはタイヤ2本交換として、ピットストップ短縮を狙う事だろう。だが2号車「エヴァRT初号機アップルMP4-12C」は更に奇策としてタイヤ無交換作戦をとる。またこの距離なら、スタート時に燃料を満タン(実際には計算により満タンよりやや少ない)でスタートすれば給油時間も短くできる。ピットストップで必ず行わなくてはならないドライバー交代は15〜17秒、これはいくら練習しても大幅に短縮はできないので、その間はしっかりと給油のみに当て、最も短いピットストップにする事ができるのである。  フリー走行後には両ドライバーが交代練習に励んでいる。昨年までの紫電はいつも給油時間が短く、タイヤ無交換作戦を取る事も多かったので、ドライバー交代タイムはかなり重要だったが、今年は常に給油時間が長く(約30秒前後)、交代にも十分余裕があった。早い交代の勘を取り戻すべく、幾度と無く交代練習をし、最終的には納得の行く時間にまで短縮する事ができ、決勝レースへの準備は整った。

 決勝レースはいつもと異なり30分早い13時30分スタート。レース終了後の年間表彰や全ドライバー参加のグランドフェイナーレ等イベントが遅くなると、日没が早くなった事と相まって、冷え込みも厳しくなる。その為の、ファンへの配慮である。

   スタートドライバーの加藤選手が、ウォームアップ走行を終え、セット変更のリクエスト、車高を若干調整。テストデーターのないサーキットだけに、試しておきたい点も多々あるが、決勝レース直前とあっては多少バクチ的な点も否めない。薄曇とはいえ、気温20度前後、寒さを感じるほどの事はないすごし易い陽気で始まった決勝レース。オープニングラップで12位から13位、3周目には14位そして、翌4周目には16位へ序盤から大きく順位を落とす。直前の車高調整で“少し”アンダーステア方向にしたのだが、行き過ぎたようでアンダーステアとの格闘中ドンドン抜かれて行く。とは言え、トップ3台、11号車(メルセデス)、61号車(BR-Z)16号車(CR-Z)はドンドン先行するが、4位から加藤選手の16位まで13台が10秒以内に入るグループを形成し53〜54秒でレースが進む。  15周を過ぎるとルーティンピットも始まり見かけ上の順位は上がっていく。やはり殆どのチームがタイヤ2本交換でコースに復帰して行くが、タイヤが冷えているアウトラップのロスはまぬがれない。それに対して周回を重ねる毎に燃料が減り、これが功を奏し強いアンダーステアも解消され、タイヤの磨耗が進んでいると思われるが全くタイムの落ちない加藤選手・・・どころか、29周目にはベストタイム52″691をマーク!翌30周目も52秒台と他のマシンピットインに伴い、見かけ上の順位ではなく実質順位も上がってきているのである。

 23周目「残り10周(33周ピットイン予定)ですが、タイヤどうです?」との渡邊エンジニアの無線に「大丈夫!!大丈夫!!」と応える加藤選手・予定通りタイヤ無交換作戦決行である。
 33周を終え、見かけ上の順位が3位になってピットイン。加藤選手から高橋選手に交代。給油時間は17秒。この間にドライバー交代を終え、すぐスタートできれば計算上8位辺りで復帰でき、タイヤもそのままなので、交換時のアウトラップのロスも少ない。だが給油を終えても、まだドライバー交代が完了していない・・・というか、ドアは閉まったがまだ発進できない。僅か3〜4秒とはいえ、接戦中では順位を落とすに十分なロス。
 コースインした時点で10位。ところがアウトラップ、12位にドロップ!!タイムも他の多くのマシンのアウトラップに比べ5秒以上遅い。その後2周に渡りタイムは上がらず、2分00秒台、順位も35周目14位、36周目17位と目を覆いたくなるほど落ちて行く。
渡邊エンジニアも「何かマシンの調子がおかしいですか?おかしいようならピット入ってください!」と心配するほど・・・。だが特に何かトラブルを抱えているわけではなさそうだ。その後59秒台から57秒台、そして終盤47周を過ぎた辺りから56秒台に入るが、既に17位〜18位で推移・・・50周を終え17位でチェッカー。

 プラクティス、フリー走行では十分なタイムを出していた高橋選手だが、レースになったら完全にリズムにのる事ができず低迷。直前のセッティング変更や、タイヤ無交換が裏目に出たのか?だが高橋選手は、同じマシンに乗って、加藤選手が出せるタイムを、自分が出せない事をマシンの性にはしない「完全に自分が悪い。」と反省の弁。 
現在、SUPER GTのドライバーはプロ+プロのペアが殆どで、高橋選手の様なアマチュアが加わっての上位入賞はかなり難しい・・というより不可能と言ってもいい状況である。高橋選手も、マシン+コースの慣れが、ここモテギに関しては全く不足して、最終戦に臨んでおり、もっと走りこんでいれば、もっと良い結果が出せたとであろう。“練習”して早くなるのはアマチュアだとも言われるが、このSUPER GTというカテゴリーにプロ、アマチュアの区別は無い。このカテゴリーに挑む以上、アマチュアとしてやれるべき努力は惜しまない高橋選手である。この悔しさを来シーズンにむけ、どう昇華されるか?これで終わりのアマチュアドライバーではない。





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