エヴァンゲリオン レーシング Super GT & ROADRACE


EVA Racing SUPER GT 2013

RUN'A Entertainment,Inc.

REPORT

第2戦 富士スピードウェイ 決勝レポート

4月29日(月) 晴れ/ドライ

● 決勝レース 晴れ/ドライ

500kmの長距離は2回のピットインが義務付けられているが、ハイパワーの代償に燃費の厳しいFIAGTマシン・・とりわけターボエンジンのエヴァRT初号機アップルMP4-12Cは、2回のピットインで済むか?
決勝レースは110周だが、300クラスは500クラスとのタイム差から104周辺りがチェッカーと予測。これを単純に3スティントで割ると、1スティント35周・・・満タンで35周以上走行できなければ2ストップ作戦は成り立たない。
昨日、また今朝のフリー走行までの燃費データーでは、何とか2回のピットストップ、3スティントで行ける計算だが、実戦レースでのデーターが少ない、エヴァRT初号機アップルMP4-12C、行けるかどうか微妙なところ・・・。
多くのチームが2ストップ、3スティント作戦となるであろう、このレース、3回必要となったら上位入賞の可能性は低い。最初から3回ピット前提で作戦を取る事もできるが、1回のピットインでのロスタイムを、稼ぎ出せるほどのレースラップは無理だろう。まだ“攻める”だけのデーターが無い我々にとって、エコドライブで2ストップ作戦が常套手段である。

 今回のレース、ポールは61号車(BRZ)、2番手、3番手はそれぞれ16号車、55号車(共にCR-Z)そして5番手に31号車(プリウス)と、今季エントリーしているJAFGTマシン4台が、トップ5に入り、速さを見せつけている。昨シーズンひき続きJAFGTマシンの性能は引き上げられた為、ここ富士においても、これまでの様なFIAGTマシンの独壇場となる事はなさそうだ。

3日連続、好天の富士。 ウォームアップ走行も終わり、ピット内で満タンにしファーストスティント担当の加藤選手がゆっくりとピットを離れる。ゆっくりとコースを1周、最終コーナーからストレートでエンジンを止め、惰性でグリッドに着く・・・ところが勢いが足らず少し手前で停まってしまうハプニングが・・・。既に燃費との戦いは始まっており、この1周、更にフォーメーションでも燃料は無駄に使えない。


午後1時過ぎからのセレモニー、グリッドウォーク、グランドスタンドはほぼ埋め尽くされ、各コーナースタンドも多くのファンがスタートを待っている。
午後2時、フォーメーション開始・・・
1周の後レーススタート。12番グリッドからのオープニングラップは1台を抜き11位。その後も3周目、ポールスタートの61号車がトラブルでリタイヤ、JAFGT勢の一角が脱落。更に同周、フォーメーションラップでスピンし、遅れた55号車がポジション復帰してスタート。これはスタート手順違反(本来はピットスタート)となり、ドライブスルーペナルティで後退した為労せず9位へ・・。5周目には7位と順調に順位を上げたが、6周目最終コーナー目の前でスピンした31号車(プリウス)を 間一髪で避ける間に順位を落とす。だが、上位陣のトラブル、ペナルティ等にも助けられ、また上位集団が42〜43秒台に落ちた中、41秒台のハイペースエコドライブで13周目には再び7位、そして15周目には5位、17周目には4位と、各チーム、まだルーティンピット始まっていない中、快進撃を続ける。
10周毎に入る、消費燃料も計算通り加藤選手の神がかり的、エコドライブは功を奏し、当初予定していた35周目のピットインを1周伸ばす事にも成功(この1周は大きい)、36周を終え、ガソリンもほぼ使い切りピットイン、高橋選手に交代。 タイヤも4本交換、給油時間は長いがしっかりとオーバーフローさせる。
(オーバーフローした瞬間に給油を止め、満タンになりきらず計算違いのガス欠になる事も珍しくない。)
全てが計算通り。9位でコースに戻った高橋選手、タイヤに熱も入ると、44秒台から43、42秒台とタイムを上げ、ポジションを守る。プロドライバーが形成する、上位グループと遜色ない41秒台もマーク!快走を続ける。 ところが、47周目の最終コーナー、「シフト(ギアチェンジ)できない!」と無線が入る。 全ての電源が落ち、メーターパネルも真っ暗になってしまった。最終コーナーにエスケープゾーンにマシンを止める。残念な事に、このマシンにとって“珍しくない”トラブルが再発。これまでにも試した復旧処置を行うがダメ。無線も使えないので、ピットからのアドバイスを貰うこともできない。 走行を諦め、高橋選手がマシンを降りようとしたその瞬間、突然電源が回復。メーターパネルの表示も復帰。再びレースに戻るが約3周分のタイムをロス・・・ポイント圏内から大きくはじき出され20位。遅れを挽回できる、順位、周回では無いが、42秒前半の安定したタイムでラップする高橋選手。悔やまれるトラブル。 60周目、同じトラブルが再発した為ピットイン。今後のデーター収集の為、一部のパーツを交換、じっくりと各部の点検を行い、再び高橋選手がドライブ。完全に勝負権は失ったが、今後のデーター収集の為、両ドライバーが走行。

71周を終え、加藤選手に交代、チェッカーまでマシンを運ぶ事となった。タイヤは今回のレース想定通り、リヤのみ交換し、ロングランをかけた場合、フロントタイヤのグリップの変化を見る。そんな中、トップと変わらぬ40〜41秒台・・・80周目には40秒232のベストタイムをマーク。 エヴァRT初号機アップルMP4-12Cのポテンシャルを示しつつ、86周を終え、トップから17周遅れの18位完走でチェッカーを受ける。 今回のトラブルは、昨年末のシェイクダウン時から、開幕前のテストまで発生し続けた症 状で、開幕岡山では全く発生しなかったのは対策パーツが功を奏したかと思いきや・・・昨日再び発生し不安材料となっていた。これはシステム上の問題と思われメカニックも手を出せる部分では無く、歯がゆいシーズン序盤・・大きく出遅れである。 


レポートトップへ戻る